なぎたその音楽と戯言

音を楽しむ、言で戯れる

耿点

 

 

 

地球は回っている。

あっという間の一日に、

何も残せなかったと詠んだ。

陽が落ちて、夜になった。

 

また繰り返す。その繰り返し。

辛いことと幸せなことが、

同時に来ないで、片方だけ。

あんまりじゃないか。

不公平で、死んじゃうなんてさ。

 

自転車の灯りが揺れる。

右に振れたら、左に振れる。

下に漕げば、上に漕いでいた。

真髄に触れたら、

壊れてしまいそうで強く漕いだ。

 

太陽の周りを回っている。

あっという間の一年に、

何もできなかったと詠んだ。

春が過ぎて、冬になった。

 

また繰り返す。その繰り返し。

山あり谷ありな人生らしい、

疲れてしまったんだよ。

見下ろした景色はどうだい?

案外、恐くて竦むだろう?

 

風が吹いて草木が揺れる。

右に振れたら、左に振れる。

下が小さく、上が大きく揺れた。

僕の気持ちが、

安らかに触れてしまいそうで。

 

あの詩を、

始まりと詠んだ。

あの時は、

終わっていたのに。

 

あれもそれもどれもこれも、

終わったから始まったんだろ?

また終わったら始めるくせに。

諦めなんて、その場凌ぎの癖に。

 

月が白くなっていく。

もう時期に、

昇った陽が耿耿と刺す。

僕を照らして、影が生まれた。

 

終わらせるのは簡単だ。

 

この地点に、置いて。

次が始まる。