なぎたその音楽と戯言

音を楽しむ、言で戯れる

윤슬(ユンスル)

 

 

 

空を見上げなくなった日々に、

あの海は教えてくれた。

月も太陽も、対極の位置にいて、

同じ光を放って、照らし合う瞬間。

 

サランヘ。生きていてよ。

ひとつずつ、消えて、

笑顔が消えて、声も消えて。

思い出せなくなる。

 

段々と、燦々と、差し込む。

揺らめく銀の糸が絡まる。

陽光と、月光と、差し込む。

陽も月も同じ輝きだろうから。

 

どっちが優位なんて、争い、

醜いよ、それを反射して光線。

攻撃し合って、勝敗がついたら、

同時に消えて、君も消えて。

 

サランヘ。歩いていてよ。

一歩が小さくても、

二歩目が着地できるように。

もう溺れないよ。

 

閑散と、深々と、差し込む。

フラつく金の糸が解ける。

閃光と、水光と、差し込む。

陽も月も同じ輝きだろうから。

 

あの花だった君は、

鏡に映る、手に取れなかった。

あの月だった君は、

水に映る、手に取れなかった。

 

手を伸ばしても、手で救っても、

叶わなかった。存在しなかったのか。

逆さに写っていたんだ。

裏とはまた違う、逆を持っていた。

 

波紋が広がる、一人歩きしている。

グリッタリング、輪に輪を重ねて。

宝石を並べて、端から捨てていく。

錆びてしまうだろうから。

 

サランヘ。忘れないで。

大事な言葉を、心から伝えたこと。

その場しのぎじゃない言葉だった。

僕は忘れてしまったけど。

 

サランヘ。僕らへ。

眩しく、そらした目線の先に、

大事な人が居たこと。

同じ人が居たこと。