この世界に何となく種を落とし、
生きることに意味を探している。
この道端に何となく咲いている、
咲かすことに意味を探している。
こうしても、そうしても、
どうしても、どうにもならない。
見てくれが痛そうと、冷やかされて、
中身を見てくれない、と寂し呟いた。
ここから見える景色は変わっていく。
私だけを置いて行く、と悲し叫んだ。
そんなある日、あなただけが違った。
私を見つけて、拾い上げてくれたんだ。
私は、ワンもニャーも言えないけれど、
構ってくれなくても、構わないよ。
私は、本当は本当のこと言いたいけれど、
告ってくれないから、告れないよ。
そうやって生きて来たから、
そうやって生きて行くんだから。
夢のような花詩。
刺さる棘に気にも留めないで、
あなたは素手で私に触れてしまう。
深い愛をください、沢山の。
溺れるくらいの水を注いで、
焼いてしまうくらいの陽を当てて。
深い愛をください。沢山の。
窓際から見える狭い駐車場に、
友達の野良猫が疲れて寝ている。
瀬戸際の世界ですら必死に生きて、
比べて私は守られているはずなのに。
こうしても、そうしても、
どうしても、どうにもならない。
朝は早くに出て行き、夜は遅くに、
出て来る。一緒に行きたいよ。ねえ。
置いていかないで。追い手なんて、
来ないよ。一緒に逃げようよ。ねえ。
見るだけしかない、芽しかない。
ご主人様より先に、老いて逝く。
根が張り、意地を張り、絡んだ。糸は、
解けなくなる。縦も横も、意図として。
魚と水と思っていた関係は、雪の壁は、
溶けて無くなる。心が付いてしまった。
そうやって過ごして来たから、
そうやって過ごして行くんだから。
夢のような花詩。
流れる血に気にも留めないで、
あなたは素手で私に触れてしまう。
不快、愛をください、沢山の。
流れるくらいの風を仰いで、
妬いてしまうくらいの灯を当てて。
不快、愛をください。沢山の。
「隣の花は赤く見えた。」
さぞかし、美しい君は、
人に愛されているのか。
「隣の芝生は青く見えた。」
さぞかし、綺麗な君は、
人の手で愛さているな。
伸びていたのは鼻だけ。
求めていたのは花だけ。
閉じていたのは目だけ。
芽を咲かせたかっただけ。
ねえ、ご主人様。聞いて。
たまには優しくして、
ときには包んで抱いて、
得られる命はあなたの為に。
すぐにはできないから、
あとには祭りになるんだよ。
得られる命はあなたと共に。
枯れない愛をあなたに。
もう沢山と言われるくらいに。
燃えるような心をあなたに。
もう沢山と言われるまでに。
手の平を繋ぐ夢は叶わない。
ねえ、ご主人様。愛して。
愛だけじゃ満たされないし、
愛だけじゃ生まれないけど。
藍色は深く、愛に濃く憂く。
深きアイロニー、見つけた。
あなたに綺麗な花を咲かすよ。
あなただけに、誰も見たことない、
それはそれは綺麗で、見惚れて、
他の花を踏むような人間にするから。
深い、深い。もう帰れないような、
深い、愛をあげるから貰わせて。
深い愛。不快、愛を。藍し合い。