なぎたその音楽と戯言

音を楽しむ、言で戯れる

歌詞とメロディーの比重

 

この曲は、深い歌詞だ。この曲は、キャッチーなメロディーだ。

皆さんは、歌詞とメロディーだとどちらを重視して聴きますか?

 

 僕個人的な話をすると、昔はメロディー、最近は歌詞のような気がしてる。以前は、キャッチーなメロディーが大好きでよく口ずさんでた。繰り返しに定評あるKANA-BOONや、歌詞に意味がない曲が多いUNISON SQUARE GARDENといったアーティストを中心に聴いていた。テンポがよく、BPMが心地良いんだ。最近では、世間一般に言われる良い歌詞がある曲を沢山聴いてる。泣ける詩を書くback numberや、言葉選びが天才的なヨルシカといったアーティストだ。曲を聴いている時、心の中で歌いながら聴いている。歌詞が頭の中で流れているんだ。

 

 どちらが大事とも言えない。どちらも大事である。ただ、どちらに重きを置くかでアーティストの”色”が出てくるのだろう。メロディーだけ良くて歌詞は微妙、歌詞は良いけどメロディーがそんなに、なんてことになると鑑賞は少なくなってしまう。両方を兼ね備えているアーティストが最強になるのは当たり前なことなのだ。

 

 具体的にアーティストを出して説明するとこうだ。

 sumikaの場合、「Lovers」や「Familia」などアップテンポでノリが良い楽曲が多い。ただ、それだけではない。「Lovers」の歌詞では、浮気して余所見してそれでも戻ってきてくれる存在で居てほしいというメッセージが詰め込まれている。「Familia」の歌詞では、結婚式をモチーフとしており、恋人ではなく家族として”君”を扱っている部分が素晴らしいと感じる。しかし、これらはやはりメロディーを重視していると僕は思う。歌詞を重視したsumikaの楽曲もある、「Summer Vacation」や「アネモネ」などは歌詞を注目してほしい。「Summer Vacation」の歌詞では、終わった恋を振り返ってこんな恋も悪くなかったなと思う、そんな歌詞がとても大好きだ。『大人になって、後悔をして、それを「あの頃」を割り切って懐かしむのかな。』いい思い出に無理矢理する、そんな感じがとても愛おしい。「アネモネ」の歌詞では、アネモネ花言葉は、あなたを愛します。『いつか水だけじゃなく、君のお日様になれるその日まで。』花は水だけじゃなく太陽の光もいる。そんな存在にいつかなりたい、なってみせる。もう遅いけど。綺麗な花を咲かせる人と出逢ってね。そんな歌詞を書いている。これらは歌詞を重視していると僕は思う。sumikaと言えば、ノリがいいよね。確かにそうだ。ただ知って欲しい。それだけではないと。本当のsumikaも見て欲しいんだ。

 

 Summer Vacation/sumika

   www.youtube.com

 

 アネモネsumika

   www.youtube.com

 

 back numberの場合、言わずもがな共感できる歌詞をボーカルギターの清水依与吏は作詞作曲している。歌詞がいい楽曲をあげるとキリがない。sumikaとは本当に真逆である。「クリスマスソング」や「瞬き」、「花束」など泣ける歌詞は多く存在する。そんなback numberだが、メロディーを重視している楽曲もある。「高嶺の花子さん」や「大不正解」などである。「高嶺の花子さん」はとても有名な曲であり、back numberをそこまで知らない人も認知していることが多い。AメロBメロとありサビに向かってBPMが上昇、盛り上がりが増していく。テンポがよくLIVEでは手を振りやすい楽曲となっている。「大不正解」は映画実写版銀魂2の主題歌となっており、back numberらしくない格好良い楽曲である。ベースとドラムの存在感が大きく、特に始まりのベースの重み、サビのバスドラに注目して鑑賞して欲しい。しっとりとした楽曲が多いback number、しかし、たまに感情が爆発する楽曲もある。そのギャップがとても素晴らしいアーティストだと僕は感じている。落ち着いて話が出来る時と、感情に任せて言いたいことを言う。そんな曲を沢山出しているback numberは人間らしいと言えるのではないだろうか。本当のback numberを聴いてもらいたいものだ。

 

 高嶺の花子さん/back number

   www.youtube.com

 

 大不正解/back number

   www.youtube.com

 

 一例で「sumika」と「back number」を出したが、この比重問題は他のアーティストにももちろん共通する。あくまでも、個人的な主観で言っており、アーティストは歌詞もメロディーも一番良いと思って楽曲を出している。そのことは理解している。独り言だと思って聞いて欲しい。あなたの好きなアーティストは、歌詞とメロディーどちらに重きを置いているのだろうか。どちらに比重をかけており、何対何なのか。そんなことを考えて聴いていると、自分はどちらに興味があるのかが見えてくる。ちなみに、僕の母にこの話をしたら私はメロディーだわと言っていた。歌詞は聞こえないことが多いし、歌えないからテンポがいい曲が好きだわと言っていた。人それぞれなのかも知れない。今の若者達は歌詞を重視しているのだろうなと感じる。ただ、何度も言っているがそれだけでは鑑賞してはくれない。いい曲というものは、歌詞もメロディーも5対5の楽曲を言うのかも知れない。今日もいい曲を沢山聴いている。そんな晴れた日曜日の朝を過ごしている。