なぎたその音楽と戯言

音を楽しむ、言で戯れる

錆浅葱

 

 

 

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私の意思は、石ころ大きさで、

角が丸まってもう少しで海に出るだろう。

優しいだけじゃ駄目なんだね。

「何を考えてるの」なんて愚問だな。

自分すら考えていることを考えているんだ。

 

「そういうことじゃない」どういうことだ。

向き合おうとしたら、女を出して分からない。

遅かったのか、気付けなかったのか、

私に問うた。淘汰、後悔だけが残ったんだ。

君と歌だけが、頭で泣き続けていた。

音色は、緑色から水色へと流れていく。

 

永遠に我がままだ、終いに君はママだ。

頼りにして便りを待つだけのままなんだ。

上に立って、見下ろす世界しか知らない。

いつまでも好かれていると思っていたよ。

けれど、知らない間に君は上に立っていて、

私を透いているとは、気付かなかったよ。

 

離して。自由にして。できないなら私に似て。

言わなくてもいい関係をつくりたかった。

変わってほしくないところが変わって、

変わってほしいところが変わらなかった。

一人の時間を大切にして、君を足し算すれば、

お互い最高の相棒になれると信じていた。

 

君の歩き方に似た人を目で追っていた。

居るはずない場所で、消えない女になった。

ベージュが好きで、ロングスカートが好きで、

量産型を呪った。今になって、傍に居るから。

君に似合っていた、もっと会えば良かった。

「似合っている」と、言葉にすればと吐いた。

 

「どうしたい」の口癖の君にうんざりで、

意見がない私を苦しめていた。世間を探した。

どうしたいが無いんだ。"どう"が無いんだ。

だから、どうしようも無いんだ。

一人の時はあるのに、二人になるとなくなる。

君は水をさした。私は、深い海に溺れた。

 

余裕がなくなる私と、反して満ち溢れる君。

「君みたいに強くない」と呟いた文字と、

弱みを見せられらない尊厳が惨めに浮いた。

ひとつしかできないから、ひとりにしてよ。

私は、浮気をしたんだ。自分というひとに。

君の代わりに私を、愛尽くしてしまったんだ。 

 

解して。決して。 できないならごめんね。

見ていたかった君のご飯を食べる姿は、

未定の休日の睡眠で、埋まってしまった。

察してほしくないところを察して、

話してほしいところを黙ってしまう君だから。

子供だったんだ、大人だったんだ、ね。

 

自由を得た、これは僕が望んだことだろう。

何がそんなに不満なんだ、何がそんなに嫌だ。

自業自得と笑うだろうか、まあ、

自縄自縛と貶すだろうか、なあ。

私は、身から出た錆以下の存在だ。

 

何をしてあげられただろうか。わからない。

何もしてあげられなかったよな、わかるよ。

貰ったものは、こんなにも覚えているのに。

君に貰った財布、君がくれた笑顔と、

君と居た時間、君に頂いた愛し方を。

恋の寿命は、尽きてしまったんだ。

寂しい愛想を尽かさせてしまったんだ。

 

私は彷徨った。あなたは前を向いていた。

伝え方を教えて、道を示して、

私の在り方を一緒に探してほしいと、

言えれば、癒えたのにと、臍を噛んだ。

失格だ。失態だ。いや、叱責だ。怠けか。

謝っても、過ちは消えないね。私だけ。

 

私は変わらなかった。あなたは変わった。

成長を嫌った自分を許して、

離れていく君が恋しかったんだ。

会った頃より、綺麗になったね。

君は、別の人のところへ行くと言った。

 

変わりたいけど、変われないんだ。

自分の中でいつも落とし込んでいる。

君と居るべきなのは私じゃない。

強くて立派で、褒めてくれる彼だ。

私は知ってるよ、知っていたんだから。

だから、別れた。

 

 

 

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