なぎたその音楽と戯言

音を楽しむ、言で戯れる

冬の来望

 

 

 

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jacket photo. nagitaso

 

 

 

君にあげた 僕の心は 元気にしていますか

僕は 心がなくなった日々を 過ごしています

 

雪が降って 黒いコートに 結晶が見えた

10分遅れの 満員のバスに 君は居ない

眼鏡が曇った目で スマホを覗くと

「会いたい」の文字が 冷たく感じた

 

流れていく日々に 飽きが来たのに

今でも こうして詩を綴っている

あの花に 水を枯らしたはずなのに

今でも こうして本を作っている

 

語っても 語り切れない

男女関係の間柄で 後悔をした

壊れても苦しくても 求めていた

今日は思い出すよ

 

窓もない 閉め切った部屋で

語り合った  長い夜を過ごし

時計もない 時間がある部屋で

支え合った 明けない夜はなかった

 

君を待って 紺のカーディガンが見えた

2年余りの 記憶の中に 君しか居ない

記憶が掠れた頭で スマホを覗くと

「さようなら」の文字が 酷く感じた

 

狂っていた日々に 愛が尽きたのに

今でも こうして詩を綴っている

あの空に 一線を引いたはずなのに

今でも こうして本を作っている

 

騙っても 騙り切れない

主従関係の間柄で 後悔をした

悟っても泣き潰しても 求めていた

今日も思い出すよ

 

未来もない 先がない日々を

探りあった 温い関係を築き

希望もない 諦めた日々を

悲しみあった 空けない瓶はなかった

 

信じても 裏切られるなら

いっそのこと

信じて 裏切られようと

あの日 空の栞に 誓ったんだ

 

窓もない 閉め切った部屋で

語り合った  長い夜を過ごし

時計もない 時間がある部屋で

支え合った 明けない夜はなかった

 

未来もない 先がない日々を

探りあった 温い関係を築き

希望もない 諦めた日々を

悲しみあった 空けない瓶はなかった

 

''出会うべきではなかったのか''

自問自答を繰り返して 日々を過ごしている

もう会うことは ないだろうけど

あなたに 出会えて 本当 良かったよ

 

''今更 どうこうしようもない''

ただ 消えない虚しさだけを 頭に抱いて

代わりなんて居ない 君だけを愛していた

どうか それを知っていて欲しいんだ

 

君に捧げた 僕の心は 元気にしていますか

僕は 心がなくなった場所を 愛しています

 

どうか返してなんて もう言いません

中身だけ奪って 殻は棄てたって ...

 

僕の空いた心の場所は 埋まらない

探しても見つからなくて 諦めた

多分、埋まらせない 誰にも

過去に生きた 僕の詩 冬の胡桃