なぎたその音楽と戯言

音を楽しむ、言で戯れる

二人静

 

 

 

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じっと待つ、あなたを。

来ないだろうあなたを。

 

夢を見る時間に夢を見ていた。

二人、静かに並んで歩く姿を。

でも、しっかり手は繋いでて。

 

いつかのこと、黙って寄り添って、

恋愛映画を観た夜と何が違うの。

眠そうな君と泣いていた私。

怒りながら笑い合えたはずなのに。

付き合ってもらってありがとう。

でも、指で涙を拭うのはもうやめてね。

 

言葉を越えた距離は、

速さと時間で決まってて。

道のりは長いだろうけど、

待っているよ。ここで。

 

待てないのは、

落ち着かない子供のよう。

泣き喚かないだけ許して。

見てないのは、

どうしてか私のようかな。

大丈夫だと一人鼓舞して。

 

いつかのこと、黙って寄り添って、

頭を撫でてくれた夜と何が違うの。

気分が落ち込んで、泣いていた私。

そっと隣に来て、心を包んでくれた。

勝手に勘違いして、馬鹿だったね。

ああ、簡単に抱き締めるのはもうやめてね。

 

無言の会話をして、気持ちを悟って、

手に取るように分かったはずなのに。

そんな感じに、勘違いだったんだね。

しっかり握って離さないでよ。

手から手がこぼれ落ちて、涙も一緒に。

一緒は、嫌だよ。一緒がいいよ。

 

寡黙なあなたと目が合う瞬間に。

居たいよ、ただただ君に会いたいよ。

もう言葉なんて必要ないでしょう。

そんな時期はとうに過ぎたはずなのに。

過ぎ去っていったのは、あなただね。

置いて行かれたのは、私と夢だった。

 

静かな夜だ。

 

じっと待っていたよ。

やっと見えてきた明るい月に、

今なら手が届きそうだと、ふと。

思い出は思いだした時に、

愛になるものだから、君と二人。

 

今度会ったら、話すよ。